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EAP

2020/02/04 09:45|カテゴリー:未分類

EAP(Employee Assistance Program)をご存知でしょうか。
直訳すると「従業員支援プログラム」となりますが、

簡単に言うとメンタルヘルスを通して、職場内または個人の問題を抱える従業員を支援するプログラムになります。

歴史的には、アルコール依存、薬物依存が深刻化したアメリカで、

これらによって業務に支障をきたす社員が増加したことに対応するために作られました。
近年、日本においても、職場における心理的負荷を原因として精神障害を発病して休職、

さらには自殺にまで至るケースが増加する傾向にあります。

EAPは、職場内だけでなくプライベートについてもサポートして、

会社が従業員が抱える心の問題、生活上や身体の問題などの解決を手助けすることにより、従業員の幸せに貢献するものです。

従業員の方々は、日常生活の多くの時間を職場で過ごしていますが、

プライベートに起因する課題について、会社に相談できずに抱え込んでしまっている例は少なくありません。

従業員の方々のメンタルヘルスが不調になった場合に、仕事に及ぼす影響も決して小さいものではありません。
従業員の方々の悩みは,多肢にわたり「ライフプランニング」「夫婦関係」「子供のこと」

「親の介護・相続」「交通事故など突発的なアクシデント」「近所との関係」「労働問題」

「不動産・建築問題」「消費者被害」など専門的な対応を必要とするものであることも多く、

対応が遅れることにより,訴訟問題など大きな問題へと発展してしまうこともあります。

従業員の方々の福利厚生として、従業員の方々の職場及びプライベートの悩みを解決し,

仕事の生産性の向上につなげるためにも、EAPの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

EAPについてもっと詳しく聞きたい方は、当事務所(担当西田)までお尋ねください。

同一労働同一賃金

2020/02/04 09:41|カテゴリー:働き方改革

近年,「同一労働同一賃金」という言葉を各種メディアで目にすることが多くなりました。

「同一労働同一賃金」を素直に読めば,「同じ労働作業(業務)をしている人には同じだけの賃金が支払われる」という意味に読めますが,実社会を見ると,同じ職場で同じ業務をしている人でも賃金格差があるという職場がむしろ多いのではないでしょうか。

単に同じ業務をしているかどうかだけで比べ,それが同じであれば同じ賃金にするという意味で「同一労働同一賃金」を定義するのであれば,今の日本には「同一労働同一賃金」の原則を定めた法規制はありません。

現在の労働法制やメディアで言及されている「同一労働同一賃金」が問題としているのは,主として,正社員と非正規社員(契約期間の定めがある有期労働者,パートタイマー,派遣労働者等)との間の賃金格差です。通常,正社員と非正規社員とでは,同じ業務に従事しているように見えても,職務責任の範囲が異なったり,正社員には配置転換,能力や経験に応じた昇格制度,職務や職能に連動した給与体系が存在するなどの違いが設けられていることが多いでしょう。このような場合,単に業務内容だけを比べると違いがないように見えますが,その他の事情も含めて比べると,正社員と非正規社員とでは違いがあることになります。正社員と非正規社員との違いを認め,その違いの中身を特定し,その違いに応じた賃金格差であるときちんと説明できる場合には「適法な賃金格差」であり,説明できなければ「違法な賃金格差」であると考えようというのが,現在の労働法制の基本的な考え方となっています。

正社員と非正規社員の位置付けや人事制度は会社によってまちまちですので,個別具体的な判断が不可欠となります。賃金格差の問題を検討するにあたっては,その会社ごとに,正社員と非正規社員との違いの有無・内容を整理して,その違いに応じた賃金制度となっているかどうかを検討していくことが大切です。

パワーハラスメント

2020/02/04 09:39|カテゴリー:パワーハラスメント

パワハラとは何でしょうか。法律上の定義がある訳ではありませんが,平成30年3月30日付で公表された「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書」では,パワハラの概念として,

①優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること

②業務の適正な範囲を超えて行われること

③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること,又は就業環境を害すること

を挙げて,①~③を満たすものを職場のパワハラと定義づけています。

 

上記報告では,下記のとおりパワハラの典型的な類型とともに,上記①~③を満たす場合を挙げています。

a 暴行・傷害(身体的な攻撃)

:上司が部下に対して,殴打・足蹴りをする

b 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)

:上司が部下に対して,人格を否定するような発言をする

c 隔離・仲間はずし・無視(人間関係からの切り離し)

:自身の意に沿わない社員に対して,仕事を外し,長期間にわたり,別室に隔離したり,自宅研修させたりする

d 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害(過大な要求)

:上司が部下に対して,長期間にわたる肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる

e 業務上の合理性なく,能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)

:上司が管理職である部下を退職させるため,誰でも遂行可能な業務を行わせる

f 私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

:思想・信条を理由とし,集団で同僚一人に対して,職場内外で継続的に監視したり,他の社員に接触しないよう働きかけたりする

 

パワハラが許されないことは言うまでもありません。しかし,パワハラの加害者は,純粋に被害者を苦しめたくて行っているのでしょうか。「私は正しい。部下は間違っている。自分も厳しく鍛えられてきた。厳しく鍛えないといけない。できない部下は辞めてもらうしかない。」などの自分の正しさの押し付けがパワハラの根源にあるのではないでしょうか。

正しさは人それぞれであって,押し付けると短期的には結果が出るかもしれませんが,長期的には部下との人間関係を破壊し,離職やパワハラを生む結果となります。

「部下とどういう関係を築きたいか,部下にどうなって欲しいか,そのためにはどう関わるのが効果的か」

上司のあり方,忍耐力や指導力が試されている時代だと思うのです。