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2020年2月
パワーハラスメント
2020/02/04 09:39|カテゴリー:パワーハラスメント
パワハラとは何でしょうか。法律上の定義がある訳ではありませんが,平成30年3月30日付で公表された「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書」では,パワハラの概念として,
①優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
②業務の適正な範囲を超えて行われること
③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること,又は就業環境を害すること
を挙げて,①~③を満たすものを職場のパワハラと定義づけています。
上記報告では,下記のとおりパワハラの典型的な類型とともに,上記①~③を満たす場合を挙げています。
a 暴行・傷害(身体的な攻撃)
:上司が部下に対して,殴打・足蹴りをする
b 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
:上司が部下に対して,人格を否定するような発言をする
c 隔離・仲間はずし・無視(人間関係からの切り離し)
:自身の意に沿わない社員に対して,仕事を外し,長期間にわたり,別室に隔離したり,自宅研修させたりする
d 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害(過大な要求)
:上司が部下に対して,長期間にわたる肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる
e 業務上の合理性なく,能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
:上司が管理職である部下を退職させるため,誰でも遂行可能な業務を行わせる
f 私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
:思想・信条を理由とし,集団で同僚一人に対して,職場内外で継続的に監視したり,他の社員に接触しないよう働きかけたりする
パワハラが許されないことは言うまでもありません。しかし,パワハラの加害者は,純粋に被害者を苦しめたくて行っているのでしょうか。「私は正しい。部下は間違っている。自分も厳しく鍛えられてきた。厳しく鍛えないといけない。できない部下は辞めてもらうしかない。」などの自分の正しさの押し付けがパワハラの根源にあるのではないでしょうか。
正しさは人それぞれであって,押し付けると短期的には結果が出るかもしれませんが,長期的には部下との人間関係を破壊し,離職やパワハラを生む結果となります。
「部下とどういう関係を築きたいか,部下にどうなって欲しいか,そのためにはどう関わるのが効果的か」
上司のあり方,忍耐力や指導力が試されている時代だと思うのです。