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労務・労働問題~飲食店の労務管理とアルバイト・店長の残業代対策(熊本・八代)~

2026/09/18 09:58|カテゴリー:労務・労働問題飲食業

こんにちは。弁護士法人Si-Lawです。

飲食店の労務管理で経営者が押さえるべきポイントは、突き詰めると「労働時間を正しく記録する」「店長を安易に管理職扱いしない」「アルバイトにも正社員と同じ労働法が適用されることを前提にする」の3つです。

飲食業は、仕込みから閉店後の片付けまで営業時間が長く、アルバイト・パートの比率が高く、人の入れ替わりも激しい業種です。そのため、未払残業代の請求や労働基準監督署の調査、退職したスタッフとのトラブルが起きやすい傾向があります。

さらに熊本県では、地域別最低賃金が2026年12月1日から時給1,092円(現行1,034円から58円引上げ)に改定される見通しです(2026年8月末に熊本地方最低賃金審議会が答申。正式な発効は公示後)。本記事では、熊本・八代で中小企業の顧問を務める弁護士の立場から、飲食店経営者が今のうちに整えておきたい労務管理の実務と、残業代請求・労基署調査を受けたときの対応を解説します。

※本記事および当法人のご相談は、企業・店舗経営者側を対象としています。

飲食店で弁護士が店長とアルバイトにシフト表を見せて労務管理を助言するイメージ

今すぐ弁護士に相談したほうがよいケース

  • 退職した店長・スタッフから、内容証明や弁護士名義で残業代を請求された
  • 労働基準監督署から調査の連絡や是正勧告書が届いた
  • 労働審判・訴訟の書類が裁判所から届いた

これらは回答期限や手続の期日があり、初動で結果が変わります。まずは①回答期限・期日を確認する ②タイムカードやシフト表などの資料を保全する ③内容を確認する前に不用意な回答・約束をしないの3点を押さえ、早めに弁護士法人Si-Law(八代市)へご相談ください。

飲食店の労務管理でトラブルが起きやすい理由

まずは、なぜ飲食業で労務トラブルが多いのかを整理しておきます。原因が分かれば、どこから手を付けるべきかも見えてきます。

営業時間の前後に「見えない労働時間」が生まれる

飲食店では、開店前の仕込み・清掃・発注、閉店後の片付け・レジ締め・翌日の準備といった作業が必ず発生します。

ところが、タイムカードを「営業開始時に押して、営業終了時に押す」運用にしていると、これらの時間が記録から漏れてしまいます。本人は働いているのに記録上は働いていない、というズレが、後に未払残業代の請求につながる典型パターンです。

アルバイト・パート中心で雇用契約があいまいになりやすい

飲食店のスタッフは、学生アルバイト、扶養の範囲内で働くパート、Wワークの方、外国人留学生など多様です。採用が急を要するため、口頭で「時給○円、週3日くらいで」と決めて働き始めることも少なくありません。

しかし、アルバイトであっても労働基準法・最低賃金法・労働契約法などはすべて適用されます。「アルバイトだから有給休暇はない」「アルバイトに書面は不要」といった誤解が、トラブルの火種になります。

店長への業務集中と長時間労働

人手不足の店舗では、シフトの穴を店長が埋めることになりがちです。店長を「管理職だから残業代は出ない」と扱っていると、退職後にまとめて請求されるリスクがあります。この点は後ほど詳しく解説します。

よくあるトラブル 主な原因 予防のポイント
未払残業代の請求 仕込み・片付け時間の未記録 作業開始・終了時に打刻する運用へ
店長からの残業代請求 名ばかり管理職扱い 権限・待遇の実態を見直す
有給休暇をめぐる不満 アルバイトへの付与漏れ 比例付与の日数を管理簿で管理
シフト削減への不満 確定シフトの一方的なカット 休業手当のルールを理解する

アルバイト・パートを雇うときに必ず押さえる基本

飲食店の労務管理は、採用時の手続を整えるところから始まります。入口で書面を整えておくだけで、後のトラブルの多くを防げます。

労働条件は書面で明示する

使用者は、労働契約を結ぶときに、賃金・労働時間・就業場所・業務内容などの労働条件を明示する義務があります(労働基準法15条)。一部の事項は書面での交付が必要で、アルバイト・パートも例外ではありません。

  • 契約期間と、期間の定めがある場合の更新の基準
  • 就業場所・業務内容(2024年4月からは「変更の範囲」も明示が必要)
  • 始業・終業時刻、休憩、休日、残業の有無
  • 賃金の決定方法・支払日
  • 退職に関する事項
  • 有期契約の場合、更新上限(通算契約期間・更新回数)の有無と内容
  • 無期転換申込権が発生する契約更新時には、申込みの機会と無期転換後の労働条件

さらにパート・有期雇用のスタッフには、パートタイム・有期雇用労働法により、昇給・退職手当・賞与の有無と、相談窓口も明示する必要があります。いずれも書面の交付が確実です(本人が希望すればFAX・電子メール等も可)。店舗ごとにバラバラの書式を使っている場合は、ひな形を統一しておくと安心です。

アルバイトにも年次有給休暇がある

年次有給休暇は、6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤すれば、アルバイトにも発生します。週の所定労働日数が少ない方には、日数に応じた「比例付与」となります。

週の所定労働日数
(週30時間未満の場合)
勤続6か月時点の付与日数
週4日 7日
週3日 5日
週2日 3日
週1日 1日

週5日以上または週30時間以上働く方は、正社員と同じ10日が付与されます。また、年10日以上付与される方には、年5日の取得を確実にさせる義務があり、付与日数が10日未満のアルバイトも含め、付与日・取得日数などを年次有給休暇管理簿で管理しておくことが大切です。

社会保険・雇用保険の加入基準を確認する

雇用保険は、週20時間以上・31日以上の雇用見込みがあれば原則加入です(昼間学生は原則対象外)。なお、法改正により2028年10月から週10時間以上の方にも適用が拡大される予定です。

健康保険・厚生年金は、従業員数(被保険者数)51人以上の企業では、週20時間以上などの要件を満たす短時間労働者も加入対象です。今後も適用範囲の段階的な拡大が予定されていますので、複数店舗を展開している企業は、自社がいつ対象になるかを事前に確認しておきましょう。個別の加入判断や手続は、社会保険労務士と連携して進めるのが確実です。

労働時間の管理と残業代の基本ルール

飲食店の未払残業代トラブルは、ほとんどが「労働時間の数え方」から生じます。ここでは飲食業に特有の注意点を中心に確認します。

仕込み・片付け・着替えも労働時間になりうる

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。店のルールとして行わせている仕込み・清掃・片付け・レジ締めは、営業時間外であっても労働時間です。

制服への着替えも、店内での着替えを義務付けている場合には労働時間と評価される可能性があります。客がいない時間帯に店内で待機させる「手待時間」も、指示があればすぐ対応すべき状態であれば労働時間に含まれます。「営業時間=労働時間」ではなく、「作業を始めた時刻から終えた時刻まで」を記録する運用に切り替えることが第一歩です。

法定労働時間と「10人未満の特例」

法定労働時間は原則「1日8時間・週40時間」です。これを超えて働かせるには、36協定を締結し労働基準監督署に届け出たうえで、割増賃金を支払う必要があります。

ただし、飲食店などの「接客娯楽業」で、常時使用する労働者が10人未満の事業場(店舗単位で判断)は、週44時間まで法定労働時間とする特例があります。1日8時間の上限は変わらない点に注意が必要です。

  • 「10人」は店舗(事業場)ごとに、パート・アルバイトも含めて数える
  • 1日8時間を超えれば、週44時間以内でも時間外労働になる
  • 1年単位の変形労働時間制を採用すると特例は使えず、週40時間が基準になる(1か月単位の変形労働時間制やフレックスタイム制では週44時間を基準にできる)
  • 18歳未満の方には特例は適用されない
  • 特例の範囲を超える残業には、やはり36協定と割増賃金が必要

「うちは小さい店だから週44時間まで大丈夫」と思い込まず、適用できる条件を満たしているかを確認しましょう。

割増賃金率と休憩のルール

区分 割増率
時間外労働(法定労働時間超) 25%以上
月60時間を超える時間外労働 50%以上(中小企業も2023年4月から適用)
法定休日労働 35%以上
深夜労働(22時〜翌5時) 25%以上(時間外と重なれば合算)

居酒屋やバーなど深夜営業の店舗では、深夜割増の計算漏れがよく見つかります。

休憩は、労働時間が6時間を超えれば45分以上、8時間を超えれば1時間以上を与える必要があります。「ピークタイムで休憩が取れなかった」「休憩中も電話番をさせていた」という場合、その時間は休憩ではなく労働時間と扱われるおそれがあります。

名ばかり店長と固定残業代のリスク

飲食店の未払残業代請求で、金額が大きくなりやすいのが「店長」と「固定残業代」の問題です。

店長は「管理監督者」と認められにくい

労働基準法上の「管理監督者」に当たれば、時間外・休日の割増賃金の支払は不要になります。しかし、管理監督者かどうかは肩書ではなく実態で判断され、裁判所の判断は厳格です。

  • 経営者と一体的な立場で、店舗運営や人事について重要な権限を持っているか
  • 出退勤の時間について自分の裁量があるか(シフトに縛られていないか)
  • その地位にふさわしい賃金等の待遇を受けているか

大手ハンバーガーチェーンの店長について管理監督者性が否定された裁判例(東京地判平成20年1月28日)が有名です。自らシフトに入って長時間働き、採用や賃金決定の権限も限られている店長は、管理監督者と認められない可能性が高いと考えておくべきです。

なお、仮に管理監督者に当たるとしても、深夜割増賃金と年次有給休暇は適用除外になりません

固定残業代が無効とされると未払額が大きくなりやすい

「月給に残業代○時間分を含む」という固定残業代(みなし残業代)は、それ自体は違法ではありません。ただし、有効とされるには次の点が必要です。

  • 基本給部分と固定残業代部分が明確に区別されていること
  • 固定残業代が時間外労働の対価として支払われていること(金額を明確に区分し、何時間分に相当するかも明示しておくのが実務上安全です)
  • 実際の残業代が固定額を超えた場合に差額を支払っていること

固定残業代としての支払が否定されると、既に支払った手当が残業代の支払と認められないうえ、割増賃金を計算する基礎(時給単価)に含まれる場合があります。結果として、未払額が想定より大きく膨らむ点が経営上の大きなリスクです。

飲食店の労務管理5つの要点(労働時間・店長・固定残業代・最低賃金・アルバイトの有給)

店長の扱いや固定残業代の規定に不安がある場合、請求を受ける前に雇用契約書・給与規程を見直すのが最も費用を抑えられる方法です。弁護士法人Si-Lawでは、飲食店の雇用契約書・就業規則のチェックをお受けしています。

熊本県の最低賃金1,092円への改定と飲食店の対応

熊本県の地域別最低賃金は、2026年1月1日から時給1,034円となりました。さらに2026年度の改定では58円引き上げられ、2026年12月1日から時給1,092円となる見通しです(正式な金額・発効日は熊本労働局の公表をご確認ください)。

時給だけでなく月給のスタッフも確認が必要

最低賃金を下回っていないかは、時給制のアルバイトだけでなく、月給制の社員についても時給に換算して確認します。確認の際は、次の賃金は算入しません。

  • 時間外・休日・深夜の割増賃金
  • 通勤手当・家族手当・精皆勤手当
  • 賞与など1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

固定残業代のうち時間外労働の対価部分も算入しませんが、名称にかかわらず実質的に通常の賃金と判断される部分は算入対象になります。

月給を所定労働時間で割ると最低賃金を下回っていた、というケースは、店長や調理スタッフの長時間労働とセットで見つかることが多いものです。

12月1日までにやっておきたい準備

  • 全スタッフの時給・時給換算額を一覧にし、1,092円未満の方を洗い出す
  • 新人とベテランの時給差(逆転・接近)をどう調整するか決める
  • 雇用契約書・労働条件通知書の賃金欄を更新し、スタッフに説明する
  • メニュー価格・人員配置・営業時間の見直しを含め、人件費の上昇を試算する
  • 業務改善助成金など、賃上げと設備投資を支援する制度の活用を検討する(対象・申請手続は最新の厚生労働省の案内を確認し、社会保険労務士と連携して進めるのが確実です)

最低賃金を下回る賃金の合意は無効となり、差額の支払義務が生じます。改定日をまたぐ給与計算期間の処理も含め、早めの準備が大切です。

シフトカット・高校生アルバイトの注意点

飲食業ならではの雇用形態には、それぞれ落とし穴があります。

確定したシフトの削減と休業手当

台風などの不可抗力による休業は別として、客入りが悪い日に「今日はもう上がっていいよ」と帰らせたり、確定したシフトを店側の都合で取り消したりすると、使用者の責めに帰すべき休業として休業手当(平均賃金の60%以上)の支払が必要になる場合があります(労働基準法26条)。

シフトの確定時期や変更の手続を就業規則やシフト運用ルールで明確にしておくと、トラブルを減らせます。

18歳未満のアルバイトは深夜勤務ができない

高校生など18歳未満の方には、原則として22時から翌5時までの深夜労働をさせることはできません。時間外労働・休日労働も原則禁止です。年齢を証明する書面を事業場に備え付ける必要もあります。

閉店時刻が遅い店舗では、「忙しいから今日だけ22時過ぎまで」という対応が違反になるため、シフト作成時に年齢を必ず確認しましょう。

外国人アルバイトの雇用とハラスメント対策

人手不足が続く飲食業では、外国人スタッフの雇用や、職場・お客様との関係で生じるハラスメントへの備えも欠かせません。

外国人留学生の就労時間の上限

留学生をアルバイトで雇う場合、資格外活動許可を受けていることを在留カード等で確認します。就労できるのは原則として週28時間以内(学則で定める長期休業期間中は1日8時間以内)です。

複数のアルバイトを掛け持ちしている場合は合計で判断されます。上限を超えて働かせると、事業主側も不法就労助長として処罰の対象となりうるため、本人への確認と記録が欠かせません。

  • 採用時に在留カードの原本で、在留資格・在留期間を確認する
  • 在留カード裏面の「資格外活動許可欄」に許可の記載があるか確認する
  • 他のアルバイト先の有無と勤務時間を申告してもらい、合計で週28時間を超えないようシフトを組む
  • 在留期間の更新時期を管理し、確認した記録を保管する
  • 外国人を雇い入れた・離職したときは、ハローワークへの届出(外国人雇用状況の届出)が必要

なお、飲食業では在留資格「特定技能(外食業)」でフルタイムの外国人を雇用する例も増えています。この場合は支援計画の実施や届出など、留学生アルバイトとは異なる義務がありますので、登録支援機関や専門家と連携して進めましょう。

ハラスメント・カスタマーハラスメント対策

厨房内の上下関係の厳しさや、酔客・クレーム客への対応は、飲食店で起きやすいハラスメントの場面です。パワーハラスメント防止措置は中小企業も義務化されています。

また、2025年6月に成立した改正労働施策総合推進法により、カスタマーハラスメント対策も事業主の措置義務とされることになりました(施行日や具体的な措置の内容は厚生労働省の指針・案内をご確認ください)。相談窓口の設置、対応マニュアル、「悪質な客には店長・本部が対応する」といったルールづくりを進めておきましょう。

未払残業代の請求や労基署調査が来たときの対応

予防を尽くしていても、退職したスタッフから請求を受けたり、労働基準監督署の調査が入ったりすることはあります。そのときの初動が結果を大きく左右します。

未払残業代を請求されたとき

賃金請求権の消滅時効は、2020年の法改正で本則5年とされ、当分の間の経過措置として現在は3年です。

たとえば時給1,100円のスタッフに1日1時間・月22日の未払残業があった場合、割増後の1,375円×22時間×36か月で約109万円になります。月に数十時間の残業がある店長であれば、数百万円規模になることもあります(店舗規模や勤務実態により大きく異なります)。裁判になれば、未払額と同額の「付加金」の支払を命じられる可能性もあります。

  • 感情的に拒否したり、放置したりしない
  • タイムカード・シフト表・POSの記録・日報など、労働時間に関する資料を確保する
  • 相手の計算根拠(開店・閉店時刻からの推計など)を確認し、反論できる点を整理する
  • 早い段階で弁護士に相談し、交渉・労働審判・訴訟の見通しを立てる

飲食店では、タイムカードがなくても店舗の営業時間やLINEの業務連絡が労働時間の証拠として使われることがあります。「記録がないから払わなくてよい」とはならない点に注意が必要です。

労働基準監督署の調査・是正勧告

労基署の調査は、定期的なもののほか、スタッフの申告をきっかけに行われることもあります。調査では、労働条件通知書、就業規則、36協定、賃金台帳、出勤簿(タイムカード)、年次有給休暇管理簿などの提出を求められます。

是正勧告を受けた場合は、指摘された事項を期限内に改善し、是正報告書を提出します。過去分の未払賃金の遡及払いを求められることもあるため、社内の記録を整理し、再発防止策とセットで対応することが重要です。

熊本・八代の飲食店が顧問弁護士を活用するメリット

熊本・八代の飲食店は、家族経営や少人数の店舗が多く、経営者が調理も接客も経理も担っていることがほとんどです。労務管理まで手が回らず、問題が表に出てから慌てて対応するケースを多く見てきました。

トラブルが起きる前の「仕組みづくり」を手伝える

顧問弁護士は、トラブルが起きてからの交渉だけでなく、予防のための仕組みづくりにも関与できます。

  • アルバイト用・社員用の雇用契約書、労働条件通知書のひな形の整備
  • 就業規則・シフト運用ルール・固定残業代の規定のチェック
  • 店長の権限・待遇の見直しと、管理監督者として扱うかどうかの判断
  • 問題社員への注意指導・懲戒の進め方、退職勧奨の場面での助言

社会保険の手続や給与計算は社会保険労務士、紛争の予防と対応は弁護士、と役割分担して連携すると、店舗経営者の負担を大きく減らせます。

地域の事情を踏まえた相談ができる

熊本県内では、最低賃金の大幅な引上げや人手不足の影響で、人件費の見直しが多くの飲食店にとって切実な課題になっています。賃上げと労務コンプライアンスをどう両立させるかは、地域の実情を知る専門家と一緒に考えるのが近道です。

弁護士法人Si-Lawは八代市を拠点に、熊本県内の中小企業の顧問として日常的な労務相談をお受けしています。「この運用で大丈夫か」と迷った段階での相談が、一番費用を抑えられるタイミングです。

飲食店の労務管理チェックリスト

最後に、今日から確認できるチェックリストをまとめます。1つでも「いいえ」があれば、見直しを検討してください。

確認項目 関連するリスク
全スタッフに労働条件通知書を書面等で交付している 条件をめぐる紛争・是正勧告
仕込み・片付けを含めて打刻している 未払残業代
36協定を締結し、毎年届け出ている 違法残業
店長の権限・待遇が管理監督者の実態に合っている 名ばかり管理職
固定残業代の金額・時間数を明示し、差額を支払っている 固定残業代の無効
改定予定の最低賃金1,092円(12月1日発効予定)以上になる 最低賃金法違反
アルバイトの有給休暇を付与・管理している 年休の付与漏れ・管理不備・年5日取得義務違反
18歳未満・留学生の勤務時間を管理している 年少者の深夜労働・不法就労助長

まとめ

  • 飲食店の労務トラブルの多くは、仕込み・片付けなど営業時間外の労働時間の記録漏れから生じる
  • アルバイト・パートにも労働条件の明示、有給休暇、最低賃金などのルールがすべて適用される
  • 店長は肩書だけでは管理監督者と認められにくく、固定残業代も要件を欠くと無効になりうる
  • 熊本県の最低賃金は2026年12月1日から1,092円となる見通し(答申段階)で、月給者を含めた点検が必要
  • 確定シフトの削減、18歳未満の深夜勤務、留学生の週28時間の上限にも注意する
  • 請求や労基署調査が来たら、資料を確保し、早めに弁護士へ相談する

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事情に応じた判断は専門家へのご相談をおすすめします。企業法務でお悩みの際は、弁護士法人Si-Law(八代市)へお気軽にご相談ください。