弁護士法人 Si-Law

西田ブログ

会社の出口戦略(M&A)

「会社の出口戦略」の手法は下記の5つしかありません。

①  株式上場  ②事業承継  ③M&A ④清算・廃業  ⑤倒産

 

今回は「会社の出口戦略」のうち,M&Aについてお話ししたいと思います。

М&Aは、自社を他の会社に譲ることです。現在は事業承継の手法として増えてきている手法であり、下手に事業承継をしたくない息子や娘に無理やり継がせるよりも、経済的基盤もしっかりしている会社に売った方が、現経営者や社員にとっても幸せな一面もあると言えます。

以下に、当事者毎のM&Aのメリット・デメリットについて挙げてみました。

 

経営者

メリット

l  上場企業など大手企業に買収された後も、リストラされず継続的に経営者として経営できた場合は、資金力があるため事業が進めやすくなる

l  個人保証や担保を外せる可能性がある

l  後継者候補者も多くなり、廃業することなく会社を存続させることができる

デメリット

l  買収した会社から経営者が派遣されることも多く、社長交代させられる

l  買収した会社との異なる企業風土を融合させるのに時間と労力がかかる

 

取引先

メリット

l  上場企業など大手企業に買収された場合、会社の与信が良くなる

l  取引規模が拡大する可能性がある

デメリット

l  買収した会社の方針によっては、取引の見直しが行われる可能性がある

l  買収した会社の与信が良くないと、取引に支障をきたす恐れがある

 

金融機関

メリット

l  上場企業など大手企業に買収された場合、会社の与信が良くなる

l  取引規模が拡大する可能性がある

l  多様なビジネス提案ができるようになる可能性がある

デメリット

l  買収した会社の方針によっては、取引の見直しが行われる可能性がある

l  メインバンクとしての地位を失うことがある

 

М&Aも,あくまでも「会社の出口戦略」の1つでしかありません。何が経営者にとって,周囲の人たちにとって,地域にとってベストな方法かは,会社の置かれている状況によって全く違いますので,経営者が考え抜く必要があると思うのです。

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