弁護士法人 Si-Law

西田ブログ

リードマネジメント

自分の行動管理ならできるが、部下の行動管理は難しい・・・

部下のマネジメントに頭を悩ませている経営者・幹部は非常に多いと思います。マネジメントとは、人を介して仕事をする技術であり、リードマネジメントとは、選択理論という心理学を職場におけるマネジメントに応用した手法です。この対極にボスマネジメントがあり、ボスマネジメントの上司は、結果に焦点を当てて、責めたり脅したりすることによって改善を図ろうします。

一方、リードマネジメントの上司は、プロセスに焦点をあて、事実を直視させますが、メンバーの成長を常に念頭に置き、決して攻撃的な言葉使いはしません。

 

リードマネジメントには8つの要素があります。

1.       良好な人間関係をつくる

上司と部下との間に良い人間関係がなければ、いかなる指導も援助の申出もアドバイスも、「あなたに言われたくない」と思われてしまい、徒労に終わります。

2.       現在の事実を話し合う

過去の出来事や問題に焦点を当てても生産的ではありません。また、感情に焦点をあてると、攻撃的な口調になったり誰かを批判したりするだけで、次の評価の話に繋がりません。

3.       部下に自分の仕事を評価してもらう質問をする

ここでのポイントは、①問い詰めるような言い方にならないよう穏やかに聞くこと、②行為に焦点を当てて尋ねることです。

4.       改善計画を部下と一緒に立てる

仕事の改善に向けて行動を変えることで、結果が上向くという直接的な効果はもちろん、部下の仕事に対する満足感も得られるという効果があります。

5.       しっかりした実行の決意を取り付ける

実行に対する決意は、上司と部下との約束なので、それが果たされたとき互いの人間関係はより強固になります。

6.       言い訳の機会を作らず、仕事の話を進める

立てた計画は必ずしもうまくいくとは限らず、その際は再度計画を立て直す必要があります。この時のポイントは、うまくいかなかった理由は問題にせず、「何を」「いつ」するかという「この後どうすべきか」という質問をすることです。

7.       罰したり批判したりせず、責任を自覚させる

仕事がうまくいかなかったという結果を経験させ、部下が責任感を持つように指導しなければ、単に甘いだけのマネジメントになってしまいます。

8.       簡単に部下のことをあきらめない

部下はあきらめられたと感じて気に掛けられなくと、組織に対する所属意識や貢献意識が薄れてしまい、「上司が何もしてくれないから」という言い訳も認めることになります。

 

自社で行われているマネジメントはどうでしょうか?ボスマネジメントになっていませんか?甘いだけのマネジメントになっていませんか?会社が飛躍するためには、上質の効果的なマネジメントは必要不可欠だと思うのです。

 

会社の出口戦略(M&A)

「会社の出口戦略」の手法は下記の5つしかありません。

①  株式上場  ②事業承継  ③M&A ④清算・廃業  ⑤倒産

 

今回は「会社の出口戦略」のうち,M&Aについてお話ししたいと思います。

М&Aは、自社を他の会社に譲ることです。現在は事業承継の手法として増えてきている手法であり、下手に事業承継をしたくない息子や娘に無理やり継がせるよりも、経済的基盤もしっかりしている会社に売った方が、現経営者や社員にとっても幸せな一面もあると言えます。

以下に、当事者毎のM&Aのメリット・デメリットについて挙げてみました。

 

経営者

メリット

l  上場企業など大手企業に買収された後も、リストラされず継続的に経営者として経営できた場合は、資金力があるため事業が進めやすくなる

l  個人保証や担保を外せる可能性がある

l  後継者候補者も多くなり、廃業することなく会社を存続させることができる

デメリット

l  買収した会社から経営者が派遣されることも多く、社長交代させられる

l  買収した会社との異なる企業風土を融合させるのに時間と労力がかかる

 

取引先

メリット

l  上場企業など大手企業に買収された場合、会社の与信が良くなる

l  取引規模が拡大する可能性がある

デメリット

l  買収した会社の方針によっては、取引の見直しが行われる可能性がある

l  買収した会社の与信が良くないと、取引に支障をきたす恐れがある

 

金融機関

メリット

l  上場企業など大手企業に買収された場合、会社の与信が良くなる

l  取引規模が拡大する可能性がある

l  多様なビジネス提案ができるようになる可能性がある

デメリット

l  買収した会社の方針によっては、取引の見直しが行われる可能性がある

l  メインバンクとしての地位を失うことがある

 

М&Aも,あくまでも「会社の出口戦略」の1つでしかありません。何が経営者にとって,周囲の人たちにとって,地域にとってベストな方法かは,会社の置かれている状況によって全く違いますので,経営者が考え抜く必要があると思うのです。

理念浸透

理念経営とはどんな経営なのでしょうか?

理念が社員に浸透しているとはどういう状態なのでしょうか?

 

何のために,誰のために,何故経営するのか

 

ここを考え抜いたところの答えが理念に当たると思うのです。

すなわち,理念経営とは,目的先行の経営と言えるでしょう。

その企業が何のために,誰のために,何故経営をするのかという目的と,その根底にある在り方としての価値観を示したものが理念であり,その目的に企業全体を向かわせるのが理念経営だと思います。

 

どんなに素晴らしい理念を掲げても利益が出なければ意味がない。

そのとおりだと思います。

利益は企業の血液であり目的を遂げるための必須条件です。

力なき愛は無意味と言うほかありません。

しかし,理念経営をしているのに利益が出ないというのは,理念が単なる言葉になっている可能性があります。

理念とは単なる言葉ではありません。

単なる言葉を朝礼で読み上げても理念浸透はしないのです。

理念は実行すべきものであり現実化すべき目的です。

理念が浸透するためには経営者が社員に語ることが必須となります。

言葉に命を吹き込む行動が必要なのです。

また,理念は経営者や幹部がモデルとなる行動で示す必要があります。

なぜなら,理念は理屈で理解するのではなく体得すべきものだからです。

そして,モデルとなる行動を評価・承認する仕組みを作らなければなりません。

人事評価や表彰制度などの仕組みを構築する必要があります。

こうして理念は社員の行動となって現れるようになるのです。

 

経営者が目先の利益や企業の売却益のみを目標として経営した場合,社員を動かす原動力は経済的報酬のみとなり,やり甲斐などの精神的報酬は与えにくいのではないでしょうか。

社会性のある理念に共感できるかけがえのない同志と共に目的に向かって走り続ける。

そんな組織を作るのが経営者の使命だと思うのです。

 

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