運を見る
2020/05/22 17:44|カテゴリー:経営
あるジャーナリストが松下幸之助と部下の抜擢について尋ねました。
「あなたは部下を抜擢するときに、その人のどこを見ますか?頭の良い悪いですか?」
「そんなのは関係ない。頭の良い人間は、要領よく生きようとしてむしろ小賢しい。小賢しいよりは『鈍』な人間のほうがいい。」
「では健康ですか?」
「それも関係ない。健康な人間は陣頭に立って、『俺について来い』という。しかし、そういうときには得てして、後ろを振り返ったら誰もついて来ていなかったということがある。私は半病人だから、そんなに気張って前を歩くことはできない。みんなの後ろからついていくわけですよ。」
「それでは誠実さですか?」
「誠実も関係ない。従業員が誠実になるかどうかは経営者しだい。経営者がエコヒイキをすれば、従業員は皆、非誠実になって裏切りだってやりかねないのです。」
「では、いったいどこを見るのです?」
「運です。運のない人間はあきまへん。」
「一目見て、この人間は運が良いいのか悪いのか、分かるのですか?」
「わかります。」
松下幸之助が言うところの「運がいい」とは何でしょうか。
天運に恵まれた人が良いという意味ではないと思います。
上手くいっている方々の中には「自分は運が良かった」と言う方も多くいます。
難しい問題や矛盾する出来事があったとき、いつも前向きに楽しんで取り組むことで、物事は解決しやすくなり、ひいては運をも引き寄せるという意味ではないでしょうか。
人の上に立つ人が難問にぶつかった時に「ついていない」「運が悪い」と暗くなっては、組織全体が暗く悲観的になってしまいます。
特に人の上に立つトップには、運を引寄せる考え方と行動と習慣が必要だと思うのです。