多角化経営
2018/06/15 18:25|カテゴリー:経営
ヤマチユナイテッドグループ代表山地章夫社長は、「THE100VISION」という経営ビジョンにおいて、①100の事業を成功させる、②100人の経営トップを生み出す、③100事業×売上10億円=1000億円企業になる、④100年以上続くいい会社を作ることを目標とされました。
そして,社長に就任した1998年に多角化を進め、北海道に本社をおいて、現在まで50以上の事業・企業を立ち上げて、グループ計売上高160億円、従業員数550名(2015年時点)の企業グループを構築されました。
山地社長は、著書「会社を強くする多角化の経営の実戦」(発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング)で多角化の4つのメリットを指摘されています。
①「規模拡大の近道」になる
縮小する市場で売上を伸ばすのは、下りのエスカレーターを駆け上がるようなもの。
既存事業の成長には限界があるが、新規の事業はそのまま業績アップにつながる。
②リスクを分散できる
山地社長が多角化経営に乗り出した最大の理由。
北海道拓殖銀行の経営破綻後の金融不況から従業員を半分以上リストラすることになった経験から多角化経営に乗り出した。
一つの事業が立ち行かなくなっても、他の事業でカバーできるメリットがある。
③社長の成長を促せる
社員も新たな企業の社長となり、新しい仕事にチャレンジしたり、部下を持ったりして、日々悩み考えながら経験を積むことによって、自ら利益を生み出し、組織を動かしていく力が身につく。
④社長業に余裕が生まれる
本来社長が取り組むべき仕事は、ビジネスプランや戦略、会社のしくみ、危機対応を考えるなどであり、社長が仕事を抱え込むと社員も育たない。
多角化と同時に経営という作業を分解して社員に分担する仕組みを作れば、社長の仕事は減っていく。
社長の自由になる時間が増えれば、新ビジネスのタネが舞い込んで来たとき迅速に対応できる。
中小企業は「選択と集中」をして負けない事業ドメインを作った方がよいと言われます。
これも真であろうと思います。
しかし、少子高齢化が進み市場が縮小していく中では、時・場所・能力・資力等が許すのであれば、多角化経営も中小企業が成長する方法の1つであろうと思います。
人は意識しているものしか見えません。
新ビジネスのタネは社長のすぐ傍らに落ちているかも知れないのです。