2019/06/04 07:23|カテゴリー:経営
「チーズはどこへ消えた?」(スペンサー・ジョンソン著)という物語は、ご存じでしょうか?非常に興味深く、鋭い示唆を含んだ物語です。
要約して書けるほど短い物語ではないので、物語の内容についてはお話しすることはできませんが、前書き部分だけ紹介します。
『この物語に登場するのは、
2匹のネズミ「スニッフ」と「スカリ-」と、2人の小人「ヘム」と「ホー」。
この2匹と2人は、私たちの中にある単純さと複雑さを象徴している。
私たちは、スニッフのようにいち早くチャンスをかぎつけることもあるし、
スカリーのように、すぐさま行動を起こすこともあるし、
ヘムのように、一層まずいことになりやしないかと怯えて、
変化を認めず、変化に逆らうこともあるし、
ホーのように、もっといいことがあるに違いないと、
うまく変化の波に乗ろうとすることもある。
どのような行動をとろうと、
私たちみんなに共通していることがある。
迷路の中で、自分の道をみつけ、
時代の変化の中で、望みを成就せねばならないということだ。
人生は、自由に何の邪魔者もなく歩めるような、
まっすぐで楽な廊下ではなく、
通る者にとっては迷路で、
自分で道を見つけねばならず、
道に迷い、訳が分からなくなり、時には、
袋小路に突き当たることもある。
しかし、信念があれば、
必ずや道は開ける。
思っていたような道ではないかもしれないが、
やがてはよかったと分かる道が。』
私は、経営者という立場にいるかもしれませんが、経営そのものを語ったような言葉だと感じました。
時代は間違いなく変動期にあります。
少子高齢化、ITやAIの発達、それに伴う市場規模の拡大と縮小など、企業にとって機会と脅威が混在しています。
未来を完全に予見することは不可能であり、変化することの恐怖に支配され、現状にしがみつきたい衝動に駆られそうになります。
しかし、現状延長線上に新しい未来を描くことが難しい時代になりました。
変化を恐れず、変化を楽しみ、理想と希望をもって前に進むべきだと思っています。
「チーズはどこへ消えた?」という物語から、そんなことを考えさせられました。
物語の最後に小人のホーが、こんな言葉を残しています。
変化は起きる
変化を予期せよ
変化を探知せよ
変化にすばやく適応せよ
変わろう
変化を楽しもう
進んですばやく変わり再びそれを楽しもう
2019/05/07 07:33|カテゴリー:経営
自社をどういう会社にしたいと考えていますか?
自社の現状を把握し、未来を予測し、自分の想いを込めて、いろんなことを考えるのが経営者だと思います。
会社は何のためにあるのでしょうか?
お金を稼ぐためにあると答える人もいます。
お客様のためにあると答える人もいます。
会社の永続にあると答える人もいます。
答えはそれぞれあって良いと思いますが、1つだけ普遍的な価値観を挙げるとすれば
会社は人を幸せにするためにある
どんな会社でも同じです。
飲食店は提供する食事に幸せを乗せます。
不動産業は不動産に、建築業は建築物に、製造業は製造物に幸せを乗せます。
どんな商品に幸せを乗せるのかは違いますが、どの会社も同じではないでしょうか。
お客様が幸せになり「ありがとう。」を貰えれば、社員も幸せになります。
社員が幸せになれば、その家族も幸せになります。
そうやって幸せの縁を広げることができる経営者という仕事は、このうえなくやり甲斐のある仕事だと思います。
やり甲斐があると同時に大きな責任もある仕事です。
だからこそ経営者は幸せについて学び続ける必要があるのだと思っています。
2019/04/03 07:51|カテゴリー:経営
イソップ寓話「3人のレンガ職人」
世界中をまわっている旅人が、ある町外れの一本道を歩いていると、一人の男が道の脇で難しい顔をしてレンガを積んでいた。
旅人はその男のそばに立ち止まって、「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねた。
「何って、見ればわかるだろう。レンガ積みに決まっているだろ。朝から晩まで、俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ。あんた達にはわからないだろうけど、暑い日も寒い日も、風の強い日も、日がな一日レンガ積みさ。腰は痛くなるし、手はこのとおり」
男は自らのひび割れた汚れた両手を差し出して見せた。
「なんで、こんなことばかりしなければならないのか、まったくついてないね。もっと気楽にやっている奴らがいっぱいいるというのに・・・」
旅人は、その男に慰めの言葉を残して、歩き続けた。
もう少し歩くと、一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会った。
先ほどの男のように、辛そうには見えなかった。
旅人は尋ねた。「ここでいったい何をしているのですか?」
「俺はね、ここで大きな壁を作っているんだよ。これが俺の仕事でね。」
「大変ですね」旅人はいたわりの言葉をかけた。
「なんてことはないよ。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。ここでは、家族を養っていく仕事を見つけるのが大変なんだ。俺なんて、ここでこうやって仕事があるから家族全員が食べていくことに困らない。大変だなんていっていたら、バチがあたるよ。」
旅人は、男に励ましの言葉を残して、歩き続けた。
また、もう少し歩くと、別の男が活き活きと楽しそうにレンガを積んでいるのに出くわした。
「ここでいったい何をしているのですか?」旅人は興味深く尋ねた。
「ああ、俺達のことかい?俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!」
「大変ですね」旅人はいたわりの言葉をかけた。
「とんでもない。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!素晴らしいだろう!」
旅人は、その男にお礼の言葉を残して、また元気いっぱいに歩き続けた。
企業にはビジョンとミッションが必要だと言われます。
ビジョンは、企業が外部へ発信する「こうありたい」と目指す目標や志のことで、ミッションは、企業が内部に浸透させるべきビジョンを実現するために果たさなければならない使命や目的のことであり、ミッションを理念として掲げている企業も多いのではないでしょうか。
イソップ寓話「3人のレンガ職人」は、同じレンガ積みという仕事であっても、ミッションすなわち使命や目的を持つことが、モチベーションに大きな影響を与えることを教えてくれているのだと思います。
社員が日々従事していることに大きな意義を与えることは、企業の重要な使命だと思うのです。