一位主義と売上主義
2018/05/27 15:24|カテゴリー:経営
売上目標を立てることは悪いことではありません。
しかし、売上目標を立てるときは、思考の順番があります。
よく行われるのが、最初に過去の決算書から人件費、販売費などの固定費を算出し、固定費に目標利益を加算して売上目標を立てる方法です。
何も考えずに経営をするよりはよいでしょう。しかし、継続的に売上を上昇させていくことは難しいと言わざるを得ません。
数年は達成するかもしれませんが、売上目標が高くなればなるほど達成が困難となり、従業員が疲弊していくことになります。
または、売上に応じて従業員も増えていき、売上は上昇したが経費も上昇してしまい、会社に残る利益は変わらないという状況に陥ってしまいます。
何故そうなるのでしょうか。
お客様を見ていない、自己都合型の経営だからです。
自分の都合を一番に考えていては、お客様の心に届く経営はできない。
思考の順番が違います。
考えれば当たり前のことですが、この当たり前が、経営すると難しくなるのです。
この自己都合型の経営を売上主義と言います。
売上だけを求めて、何でもいい、何処でもいいから売る、という何の工夫もない経営を続けると、毎年同じように狩猟を続けることになります。
売上だけ求めると、規模が大きくなるに従って、経理担当が必要になったり、事務所が手狭になったりするなど、経費の割合も大きくなります。
また、規模が大きくなると、どうしても市場の変化への対応が遅くなります。
すなわち、売上だけを求めて売上を上げれば上げるほど倒産しやすくなる、というジレンマに陥ることを知るべきです。
では、経営ではお客様のことだけ考えればよいのでしょうか。
お客様だけ見ても経営は上手くいきません。
なぜなら、市場にはライバルがいるからです。
物を買うときに、値段・距離・価値など総合考慮をしたうえで、2番目に気に入った物を買う人はいません。
買うのは必ず一番の商品だけです。
ですので、目標を立てるときは、まず敵を知る、すなわちライバルを知り、ライバルに勝つことを考えるべきなのです。
なので考える順番は、
- ライバルを調査する
- 自社がお客様に対して一位になれる市場を見つける
- 一位になるために市場に投入すべき商品力・営業力を考える
- 人の分配
- 資金の分配を考える
となり、これを一位主義と言います。
経営は売上主義ではなく一位主義で行うべきなのです。