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労務・労働問題3労働時間

休憩時間

休憩時間とは、労働者が休息のために労働から完全に解放されることを保障されている時間のことです。休憩時間は労働時間の途中に設けなければならず、その長さは、以下のように労働時間に対応しています(労基法34条1項)。

●1日の労働時間が6時間未満の場合 無くてもよい
●1日の労働時間が6時間以上の場合 45分以上
●1日の労働時間が8時間以上の場合 60分以上

休憩時間

休憩時間は、労働時間の途中に与えなければなりませんが、途中で与える以上、どの段階でもよいし、また、休憩時間の分割も制限されておりませんので、小刻みに付与することも可能です。

また、休憩時間は原則として、一斉に与えなければならないとされています(労基法34条2項)。なお、この一斉付与の単位は事業場毎です。

休憩時間の利用方法について、使用者が制限することはできません(労基法34条3項)。外出の制限も原則として不可であり、合理的理由がある場合に最小限の態様の規制(届出性、客観的基準による許可制など)をなしうるにすぎません。したがって、休憩室で自由に休憩させつつ稀にある来客や電話に対応させることも、この自由利用の原則と抵触します。

休憩時間の例外

次のサービス業については、利用客の便宜という観点から、一斉付与原則が排除されています(労基法40条)。
運送業、商業、金融、映画・演劇、郵便・電気通信、病院・保健衛生、旅館・飲食店、官公署の事業(労基法38条2項別表1)

また、次の場合、休憩時間を与えないことができます(労規則32条)。

●運送・郵便事業の長距離(6時間以上乗務のもの)乗務員

●運送・郵便事業の乗務員で、上記(長距離6時間以上乗務のもの)に該当しないもの

その者の従事する業務の性質上、休憩時間を与えることができないと認められる場合において、その勤務中における停車時間、折返しによる待合せ時間その他の時間の合計が労基法34条1項に規定する休憩時間に相当する場合

●屋内勤務者30人未満の郵便局において郵便等の業務に従事する者

また、次の場合、休憩時間自由利用の原則が排除されています。

●警察官、消防吏員、常勤の消防団員及び児童自立支援施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者

●乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、盲ろうあ児施設及び肢体不自由児施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者(ただし、この場合は労働基準監督署長の許可が要件)

休日

労務における休日とは、労働契約上、労働の義務が無い日のことです。
使用者には休日付与義務が課せられており、原則として、1週間に1日、あるいは4週間に4日の休日を従業員に対して付与しなければなりません(労基法35条)。
なお、これらの休日は法律に基づく休日であるため、法定休日と呼ばれます。

時間外・休日労働をさせることは、労基法で原則的には認めないこととされています。
就業規則で時間外労働や休日労働の規定を作成しても、36協定(時間外・休日労働協定)を締結していないと時間外・休日労働をさせることはできません。逆に言えば、36協定で定める範囲内であれば、法定労働時間を超えて労働させ、法定休日に労働させても、労基法違反とはなりません(労基法36条)。この36協定は、労基署に届け出ることによって初めて効力が発生します。
労基署からの是正勧告を受けることが多い事由ですので、忘れずに届け出ましょう。